第15号 2007年10月20日
★秋のおとずれ


 

 忙しさにかまけて、更新をサボっている間に季節も変わり秋が訪れています。山の木々も茶色に変わり、クヌギやナラなどの広葉樹はまもなく葉をおとすでしょう。気温もぐっと下がってきました。

 
★今年もやってきました「うるるん教育体験」








 

 今年も「小国町うるるん体験教育」が始まりました。

  都会(北九州)の中学生が農家にホームステイしながら農山村の暮らしを体験する事業で、生徒たちは、数名ずつのグループに分かれ、2泊3日の日程で受入農家にホームステイします。我が家も昨年から受け入れを行なっています。10月初旬には、志徳中学校の生徒さんが3名、中旬には淺川中学校から4名、下旬には花尾中学校から4名と一月の間で10名以上の中学生を受け入れることになります。家の中もにわかににぎやかになります。

 生徒さんは、単なる“お客さん”ではなく、実際に受け入れ先の農家と一緒に作業を行ないます。うちでは、牧草畑の草むしりや牛舎での作業を体験してもらっています。また、父と一緒にサツマイモの収穫作業なども体験してもらいました。朝も6時から畜舎に来てがんばっています。(ほかの受け入れ先の生徒さんよりもひょっとしたらきついかもしれません。)

 写真は、牧場内での作業の模様です。子牛にエサをやったり、ミルクを飲ませたり、子供たちには初めての体験です。はじめは、おっかなびっくりですがすぐに作業にもなれ、積極的に手伝いをしてくれます。先日、牧場を舞台にしたテレビドラマがありましたが、その影響からか数人の生徒さんは、作業についての予備知識も少しあるようでした。

 受け入れ式の直後、生徒たちは、緊張した面持ちでやってきます。言葉も聞き取れないほど小さな声の、遠慮がちな生徒さんもいますが、作業を一緒にやっているうちに、普段の学校生活や将来の目標について話をしてくれたりするようになります。また、酪農についてもいろいろな質問をぶつけてくるようになりますし、私たちも刺激を受けます。

 目や耳からの情報だけではなく、においや味、実際に牛に触った手触りや温かさなど五感を通した経験は忘れにくいものです。わずか2泊3日の体験ですが、その間にどんなことを経験させられるのか、何が伝えられるのか、単に作業をしてもらうだけではなく、どんなメッセージを込めるのか。受け入れる側もがんばって考えなければならないと改めて思いました。

 
★牧草の種まき作業








 

 8月末に(3回目)の牧草の収穫が終わると、次の月からは、次の年に収穫する牧草の種まき作業が始まります。

 最初に堆肥をマニアスプレッターという機械で畑にまきます。十分に堆肥をすきこんだ後、畑を耕し、種をまきます。しかし、これで終わりではありません。もう一度ロータリーで攪拌した後トラクターにつけたローラーで鎮圧し、種子を地面にしっかり抑える作業を行ないます。しっかりと根を張らせるために必要な作業です。一連の作業は、10月上旬までかかります。

 市販の飼料ではなく、自分の育てた牧草をしっかり食べさせることが、うちの牛乳の基本です。そのためには、牧草の量を確保するための広い畑が必要です。牧草畑は、毎年少しずつ増やし、今年は15ヘクタールになりました。

 牧草の出来・不出来は、畑の力すなわち「地力」によるところがほとんどです。つまり、どれだけきちんと土つくりをするのかで、エサの良し悪しひいては、牛乳の質が決まってしまうといっても過言ではないと思います。

 もうひとつ考えなければならないのが、環境への配慮です。近年では、地下水へ与える影響も叫ばれるようになって来ました。分解しにくい化学肥料や完熟していない堆肥を使うことは、環境へ負荷をかけることになります。コストに目をつぶっても、うちの牧場が有機肥料、自家製の完熟堆肥にこだわる理由がここにあります。非常に地味な作業です。しかし大事な作業です。11月には緑のじゅうたんのような牧草の新芽が出ます。

 
★社会福祉協議会ふれあい祭り





 

 少し前の話になりますが、8月末に社会福祉協議会が町内の保育園、幼稚園の子供たちを対象に開催した「ふれあい祭り」のお手伝いをしました。

 牧草を包んだロールを会場に運び込み、子供たちにお絵かき(ペイント)をしてもらいました。写真はそのときの様子です。地面に座り込んだり、ロールに登ったり、子供たちは、思い思いに絵を書いていました。祭りの後、ロールは持って帰りましたが、使うのが惜しく、数日間は置いて眺めていました。私にも同年代の子供がいます。これからも微力ではありますが、お手伝いができればと思います。


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